知的資産経営とは

 知的資産とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。これは、特許やノウハウなどの知的財産だけでなく、組織や人材、ネットワークなど企業の強みとなる資産を総称する幅広い領域を意味します。さらに、このような企業の知的資産(強み)を認識し、収益につなげる経営を知的資産経営と呼びます。つまり、知的資産経営とは、会社の強みを活かす経営のことをいいます。

ファインモールドの取り組み

 弊社は1984年3月に先代と母がファインモールド株式会社を設立し事業を開始致しました。来年(2024年)には色々な関係者様のご支援の基、創立40周年を迎えます。社名の由来は「ファイン」(精密な・素晴らしい)、モールド(樹脂・成形)と言う意味を持ちます。現在、社名に込められた先代の想いを引き継ぎながら二代目の私が経営しております。
 当時、本宮市近辺には射出成形メーカーはまだ少なく、弊社は草分け的な存在でした。当初はカメラの機構部品、携帯電話の導光版や光学レンズ等を主力製品として生産して展開しておりましたが、生産拠点が新興諸国に移り、国内産業の空洞化が進む中、射出成形メーカーも厳しい環境にさらされ、消滅したり、M&Aで買収される等、劇的な世の中の変化にも直面致しました。
 その環境化においても弊社は、「終わりなき技術の追求」を経営理念として掲げ、常に新技術の導入を図り、「ISO9001」や「ISO13485」等の認証を取得して品質マネジメントシステムを構築する等、生産や品質管理体制の確立と改善に努力致しました。又、生産協力会社とのネットワークも強化し、市場が求める安値で高品質な製品を一貫生産(塗装、印刷、組立等)できる体制も作り上げました。
 現在では、お客様からの信頼度も高く、OA機器や通信機器、及び医療機器や車載機器等新分野への進出も果たし、安定した経営基盤を確保する事が出来ております。
 今後は更に生産の特殊技術(自動化)と品質の向上に努め、社会に貢献する事で地域やお客様からより信頼され、末永く必要とされる企業を目指すと共に、従業員の健康と生活の向上を図り、働き甲斐のある会社づくりに専念して参ります。
 今回の知的資産経営報告書では、財務的な内容以外、普段目に見えない部分に焦点を絞り、経営方針、組織、取引先様との関係等、弊社の知的資産である「強みを見える化」して、50年後も100年後も活用できる様に纏めました。この報告書は次世代の継承者や従業員が会社を運営していく為に貴重な参考文献になると思います。
又、ファインモールドに係わる全ての方々にも弊社をご理解して頂くツールになればとの思いから作成致した次第です。

2023年10月
代表取締役 辻 儀昭

 
 

ファインモールド株式会社『知的資産経営報告書』